本記事は私が資産形成の柱にしている米国高配当株ETF VYMについてご紹介します。
1.米国高配当株式ETF VYMとは
VYMは米国株の中でも高配当の約400銘柄をパッケージにしたVangurd社のETF(上場投資信託)です。
特徴は、大型株でかつ予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れている事です。
2021年7月現在では分配金利回り2.86%となっています。
直近の分配金は以下のようになっています。
2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
分配金 | 分配金 | 分配金 | 分配金 | 分配金 | |
1Q | 0.56 | 0.6084 | 0.6516 | 0.5544 | 0.6564 |
2Q | 0.596 | 0.6302 | 0.6247 | 0.8368 | 0.7523 |
3Q | 0.602 | 0.6718 | 0.7864 | 0.7053 | |
4Q | 0.6431 | 0.7388 | 0.7791 | 0.8096 |
2006年に設定されて以来、2021/07/22までの配当込みの運用成績はtotalで222.21% (年率にして約8.1%)です。
これはETFとしては十分良いのではないでしょうか。
次にVYM の構成銘柄やセクターを見ていきましょう。
組み入れ上位10銘柄
順位 | 2020年3月時点 | 2021年6月時点 |
1 | Johnson & Johnson | JPMorgan Chase & Co. |
2 | JPMorgan Chase & Co. | Johnson & Johnson |
3 | Procter & Gamble Co. | Home Depot Inc. |
4 | Intel Corp. | Procter & Gamble Co. |
5 | Verizon Communications Inc. | Bank of America Corp. |
6 | AT&T Inc. | Exxon Mobil Corp. |
7 | Merck & Co. Inc. | Comcast Corp. |
8 | Pfizer Inc. | Verizon Communications Inc. |
9 | Coca-Cola Co. | Intel Corp. |
10 | Cisco Systems Inc | Cisco Systems Inc. |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 27.90% | 23.30% |
2021年6月時点では、一年前と比べて若干の銘柄変動はあるものの、依然として
上位にはジョンソン&ジョンソン、P&Gなどの大型優良銘柄が並んでますね。
不景気にも比較的強いディフェンンシブ銘柄が並んでいる印象です。
続いてセクター別構成比率
セクター | 2020年3月時点 | 2021年6月時点 |
ヘルスケア | 16.20% | 12.50% |
金融 | 15.80% | 21.80% |
生活必需品 | 15.00% | 12.80% |
テクノロジー | 11.20% | 7.80% |
公益 | 10.00% | 7.70% |
消費サービス | 9.10% | 8.40% |
資本財 | 8.40% | 10.30% |
石油・ガス | 5.50% | 7.10% |
電気通信 | 5.50% | 7.20% |
素材 | 3.30% | 4.40% |
セクターが特定領域に偏らず幅広く分散されていますね。
ただ2021年6月時点では金融の比率がやや高くなっているかな、という印象です。
2. VYMが資産形成に好適と考えている理由
①下落相場でも配当が心理的な支えとなり、狼狽売りしなくて済む。
②ディフェンシブ銘柄が多く組み入れられており不況に強い。
③銘柄、セクターが広く分散されている。
④業績の悪くなった銘柄を自働で入れ替えて(組入比率を下げて)くれる。
⑤銘柄分析に時間をかけなくて良い。
⑥経費率が非常に低い ※経費率0.06%(2021/6/30時点)
自分としては特にメリットが大きいと思っているのは①と④ですね。
長期にわたって資産を着実に築く為には、相場に振り回されず一貫して継続することが重要なので、配当がしっかり出ることは、相場が悪い時も慌てず保有し続ける動機となります。
また、その時代に合わせて自働で銘柄の新陳代謝をしてくれるのは、同様なディフェンシブ銘柄で構成した個別株ポートフォリオでは実現できないメリットです。
一方でリスクとしては、
⑦今回のコロナショックの様に市場全体が大きく下げる際には、大型ディフェンシブ銘柄で構成されているVYMと言えども大きく下落すること。
⑧AppleやAmazon、Facebook等、配当をあまり出さない成長株はVYMには組み入れられていない為、これらの銘柄が市場を牽引する場合はVYMは市場平均に対して見劣りすることになる。
⑨長期的に中国やインド、東南アジア、アフリカなどの更なる成長によって、アメリカの競争力が相対的に低下し続けた場合は、VYMも長期低迷する可能性がある事。
といったところでしょうか。
⑧や⑨のリスクを特に考慮するならば、VTIやVT といった、より広い銘柄を対象とするETFを選択するのも1案です。
この辺りは好みも分かれるところと思います。
3.どのように買うか? 〜私の場合〜
VYMは米国市場に上場している投資信託なので、購入するには外国株口座を開設する必要があります。
SBI証券や楽天証券などのネット証券なら外国株の手数料も低く買いやすいですね。
私はSBI証券をメインとして使っているのですが、VYMはNISA口座で積立購入をしています。
SBI証券ではNISA口座で定期積立で購入すれば、米国株購入時の手数料が0円になるため、NISA口座での配当への国内課税分の免除と合わせて米国株のコストを最小化できます。
※円貨決済の場合、為替手数料はかかるので注意
低コストのVYMの強みをさらに強化でき、かつ一度設定してしまえばほったらかしに出来るため、仕事に家庭にと日々忙しい方にとって、NISA定期積立は非常に良いと思います。
ご参考になりましたら幸いです。